被害者の銀行口座が凍結!?

国際ロマンス詐欺の手口! 日本国内の銀行口座! 日本人名義! この人たちは誰?マネーミュールについて知ろう!

1.概要

銀行や送金サービスを使用した海外への多額の送金は、しばしば「詐欺だ」と金融機関にわかってしまうことがあります。海外に家族がいるわけでもない人が海外にいきなり送金というのは金融機関側も詐欺被害の疑いがあるとみるかもしれません。しかし国内の送金であれば、例えば中小企業や個人事業主である業者に依頼した家の改築や中古車の購入などで数百万円を業者に振り込むこともあり得ますので、大金の送金も怪しまれないかもしれません。そのような背景や、ウェスタンユニオンなどの送金サービスが詐欺によく使われることで知られてしまった背景もあり、ここ数年で日本国内の銀行口座が使われるケースが増えており、国内口座があったことがきっかけで現金を引き出した出し子の外国人が逮捕されています。

(例:神戸新聞NEXT|国際ロマンス詐欺か 振り込ませた現金引き出した疑い、カメルーン国籍の男逮捕 (kobe-np.co.jp)

この日本人の名前が使われた銀行口座は何なのか?マネーミュールとは何か?ということについて解説します。

2.口座貸しは犯罪である

銀行口座を故意にではなくても誰かに貸す場合、それは「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の違反になり、見つかれば口座凍結の可能性もあります。また、口座を売買するならば1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。このような犯罪に手を染めてしまう人々というのはどのような人々なのでしょうか。

一般的に知られているのは、犯罪組織がアルバイトなどを募集して銀行口座をつくらせたり、銀行口座を売買するといったものです。しかし国際ロマンス詐欺の場合、そのほかにもう一つ、詐欺師との間で信頼関係が築き上げられた被害者が「マネーミュール」にされるというケースです。

3.マネーミュールはいかにして生まれるのか

国際ロマンス詐欺におけるマネーミュールは、詐欺被害者であるケースもあります。被害者は、ごくわずかながらでもすでに送金したお金の一部が返ってくることを期待しています。そして大金をすでに送金していて、まだ詐欺師を信じています。マネーミュールにされる被害者は多くの場合自分が犯罪に関わっていることを知りません。例えば、詐欺師がお金を少しばかり返す。しかし送金したお金の多くを別のところへ、子供の生活費などとしてウェスタンユニオンなどの送金サービスを経由して送るように指示します。

その被害者にお金が返ってくるわけですが、実際に送金してくるのは詐欺師ではなく、別の被害者です。別の被害者は送金する際に別の説明を受けています。例えば、「国連の日本の職員が税関に荷物の手数料を送ってくれるので、その職員にお金を送ってほしい」などと説明されるでしょう。そうすると、疑うことをしない被害者はそれを信じて送金してしまいます。

4.マネーミュールに潜む危険

マネーミュールにされた人も被害者です。しかし、意図せずとも「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の違反を犯していることになります。預金口座は凍結され、警察から取り調べを受けることもあります。そして警察に逮捕されて服役することになったとしても、詐欺師は何も助けてくれません。マネーミュールは捨て駒だからです。

5.マネーミュールにされたことに気づいたら

あなたがマネーミュールにされたことに気づいたらどうすべきでしょうか。まず口座の凍結は免れません。そして、警察からの取り調べを受けます。この取り調べに備えて、自分が被害者であることを証明する証拠を揃えてください。そして犯罪性が認められて逮捕されることになったら、当番弁護士を依頼してもらいます。当番弁護士に自分が無実である証拠をしめしましょう。

こちらの動画もご覧ください。

マネーミュールとは? https://youtu.be/nrlxyS2R_VU

投稿者:武部理花