スコーピングレビュー

スコーピングレビュー(Scoping Review)とは、ある研究分野やトピックにおいて、「どのような知見が、どの程度存在しているのか」という全体像(範囲・規模・性質)を明らかにするための調査手法です。

システマティックレビューの一種ですが、特定の治療法の効果を判定するのではなく、概念の定義、研究のギャップ(不足している部分)、主要なエビデンスの傾向をマッピングすることに重点を置きます。


1. 主な目的

  • 概念の整理: まだ定義が曖昧な言葉や概念が、既存の研究でどう扱われているかを確認する。

  • 研究の広がりを把握: その分野にどれくらいの文献があるか、どのような研究デザイン(質的・量的など)が使われているかを探る。

  • 研究のギャップの特定: まだ十分に研究されていない領域を見つけ出し、今後の研究の必要性を示す。

  • システマティックレビューの予備調査: 本格的なメタ分析などが可能かどうかを判断する。

2. システマティックレビューとの違い

項目 システマティックレビュー スコーピングレビュー
主な問い 「〇〇の効果はあるか?」など具体的 「〇〇に関する研究には何があるか?」など包括的
文献の質評価 必須(バイアスリスク評価を行う) 任意(通常は行わないことが多い)
対象文献 特定のデザイン(RCTなど)に絞る 質的・量的を問わず幅広く収集する
アウトカム 統計的な統合(メタ分析)を目指す 既存の知見の「マッピング(分類)」

3. 一般的な手順(JBIモデルなど)

通常、以下の5〜6つのステップで進められます。

  1. リサーチクエスチョンの設定: PCC(Population:対象、Concept:概念、Context:文脈)などの枠組みを使う。

  2. 関連する文献の特定: データベースを網羅的に検索する。

  3. 文献の選別: 採択基準に合うものを選び出す。

  4. データの抽出: 著者、出版年、研究方法、主要な結果などを表にまとめる。

  5. 結果の整理と報告: 得られた知見をテーマごとに分類・分析する。

  6. 協議(オプション): 専門家や当事者からフィードバックを得る。


活用シーン

例えば、「SNSを用いた投資詐欺(豚屠殺詐欺など)に対する心理的支援」というテーマで研究を始めたい場合、まずはスコーピングレビューを行い、現在世界中でどのような支援手法が報告されているのか、どの心理学理論が引用されているのかを網羅的に把握するといった使い方が効果的です。

手口モデル

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