1. セクストーション(性的脅迫)の定義
セクストーションとは「セックス(性的)」と「エクストーション(脅迫・ゆすり)」を合わせた造語で、「性的脅迫」のことをいいます。 具体的には、インターネット上で出会った異性に、「恥ずかしい姿の見せ合いをしましょう」などと持ちかけ、画像や動画を送信させてから、「裸の画像をお前の知り合いに送るぞ」などと脅迫し、電子マネーなどを脅し取る手口です。
SNS型ロマンス詐欺で見られるセクストーションは、詐欺師が被害者に対してウェブカメラの前で性的な行為を行うよう要求し、その映像や事実を利用して被害者をさらに辱めたり、脅迫したりする行為を指します。ロマンス詐欺の文脈では、金銭的な搾取が限界に達した際に行われる「サイバー性暴力(cybersex)」の一種として位置づけられています。
2. ロマンス詐欺におけるセクストーションの特徴
ロマンス詐欺で見られるこの手口には以下の特徴があります。
- 発生のタイミング: 多くの場合、詐欺師が被害者から取れるだけの金銭をすべて奪い取った後に行われます。金銭的搾取の「後の段階」として位置づけられている点が特徴的です。
- 一方的な視覚情報の共有: 被害者はウェブカメラの前で行為をさせられますが、詐欺師側は自分の姿をカメラに映すことはありません(一方的な視覚状態)。
- 比較的限定的な発生: 多くの被害者が経験する金銭搾取とは異なり、この性的虐待の段階まで至るケースは一部の参加者に限られています。
3. 手口としての使われ方
詐欺師がセクストーションを用いる目的や手口は、主に以下の2点に集約されます。
- ゆすり・ブラックメール(Blackmail)への利用: 英国の法執行機関(SOCA)の担当官によれば、録画した映像を後で被害者を脅迫し、さらなる金銭を要求したり口封じをしたりするための材料として使用することが主な目的の一つと推測されています。
- 娯楽とさらなる屈辱: 詐欺師自身の個人的な楽しみや、被害者をさらに深く屈辱させることを目的として行われることがあります。金銭を奪った後、さらに精神的な支配を強めたり、相手を貶めたりするための手段として悪用されます。
結論
ロマンス詐欺におけるセクストーションは、単なる性的な興味ではなく、「被害者の無力化」や「さらなる搾取の手段」として計算された攻撃です。