NPO CHARMS 2025年9月~10月の活動ご報告【活動報告】

お知らせ

NPO-CHARMS2025年9月~10月の活動ご報告

警察庁のSNS型ロマンス詐欺の被害報告

※X(@NPA_KOHO)より抜粋

令和7年8月の被害状況
認知件数:1,531件 (+626件)
被害額 :186.6億円(+87.0億円)
※()内は前年同月比

昨年より認知件数が1.7倍、被害額が1.9倍に増加

CHARMSでは新刊「SNS型ロマンス詐欺支援者サポートBOOK」が発売中!!

是非、私たちの活動にご注目いただき、引き続きご支援いただけましたら幸いです。

※ボランティアの募集も行っています連絡お待ちしています。

↓活動報告バックナンバーはこちらで確認できます。↓

Charms代表 新川てるえ


「SNSアカウント売買をやめさせて!!」内閣府に要望書を提出しました。

SNSアカウント売買という“小さな行為”が生む大きな危険
SNSアカウントの売買は、一見すると小さな行為のように見えますが、闇バイトや違法薬物取引、SNS投資・ロマンス詐欺など、さまざまな犯罪の入り口となり、社会を静かに、しかし確実に蝕んでいます。

この構造的な問題を「法の力で止めてほしい」。
そんな全国の声を受け、NPO-CHARMSは10月29日、高市早苗首相宛に要望書と25,411筆の署名を内閣官房へ提出しました。

当日は、新川てるえ代表と署名活動発起人であるサイバー防犯ボランティア rose(メンバー)を含む4名が同行し、Change.org Japanのスタッフも立ち会いました。職員の方に直接手渡し、正式な提出として完了しています。

この日は偶然にも、SNSアカウント不正売買を分析し、法的規制や国際連携の必要性を訴えた国際論文が発表された学会期間と重なりました。市民の声と研究成果が同時に問われた、象徴的な一日でした。

要望書の提出はゴールではありません。今も被害者は生まれ続けており、署名数も提出後から200名以上増えています。

私たちは、ここからが本当のスタートだと感じています。
今後ともご支援ご協力の程、宜しくお願いします。

オンライン署名サイト:
https://www.change.org/safe-sns-japan

記者会見の様子

2025年9月~10月LINE無料相談

2025年9月

相談件数 7件(うち、再相談2件、リアル詐欺1件)
以下、再相談(近況報告など)を除いて新規相談について集計。
相談者の立場 本人 4 家族 1
相談者の年代 10代 1 20代 1 30代 1 40代 2
被害者の年代 20代1 30代1 40代2
相談者の性別 男性3 女性 2
被害者の性別 男性2 女性 3
相談を知った場所  ネット検索 3   AI検索 1  マッチングアプリの被害防止キャンペーン 1
詐欺師と出会った場所 マッチング 4   不明 1
誘導先    LINE 3     不明 2
手口   投資 3   ドロップシッピング 1   リアル恋愛詐欺  1
金銭被害 あり 4 なし 1
被害総額(万円) 2,070万円(中央値160万円)
警察への届け出・相談 あり 1 これから 1 不明 2
チャット通数 43
本集計に含まない再相談の内訳  近況報告 1 再相談 1
LINEの他、メールでの相談(過去の前払い金型ロマンス詐欺について)が1件。

2025年10月

相談件数10件(うち、再相談2件、リアル詐欺1件)
以下、新規相談について集計。
相談者の立場 本人 7 家族1
相談者の年代 40代 1 50代6 60代 1 
被害者の年代 40代1 50代5 60代 1 不明 1
相談者の性別 男性 3 女性 5
被害者の性別 男性 4 女性 4
相談を知った場所   Web 検索 7  Note記事 1
詐欺師と出会った場所 SNS 2  マッチング 1  言語交換 1 不明 3
誘導先 LINE 3 不明5
手口  投資 5  ドロップシッピング 1  外国人ゴールドディガー 1
金銭被害 あり 6 なし 2
被害総額(万円) 10,020万円(中央値700万円)
警察への届け出・相談 あり 5 不明 3
非弁/調査会社二次被害 1 (可能性)
チャット通数 176
本集計に含まない再相談の内訳 近況報告・問い合わせ 2
LINEの他、メールでの相談(投資詐欺)が1件。

LINE無料相談まとめ

9–10月のCHARMS LINE無料相談では、9月7件・10月10件の相談が寄せられました。9月には未成年の方が母親の件で相談、10月にはお子さんのおられる方から配偶者の被害の相談がそれぞれ1件ありました。ご家族からの相談も、被害者本人同様に子どもの学費や生活費など若者の将来に直結し、極めて深刻です。両月で各1件、なりすましではなく実在の外国人に騙された事例があり、これらはCHARMSの活動の範囲外ですがオンラインで出会う「ゴールドディガー」の手口はSNS型ロマンス詐欺と酷似しており、時折こういった相談が寄せられます。ご家族からの相談や、海外からのゴールドディガーなどについて、お役立ていただくためnote記事も作成しました。(noteの最近記事紹介参照)

被害者のためのグリーフケアご報告

現在はビデオによる自主ワークと月1回のオンラインのグループワークを行っています。

皆さん、しっかりと効果が出ています。

【10月6日グループワークの報告】

【内容と流れ】

今回のグループワークでは、最近オープンチャットに参加された被害当事者の方が「今、どんなことを聞きたいか」に耳を傾けることを中心に進行しました。 参加者の安心感を大切にしながら、その場の声に寄り添う形で進めることを意識しました。

他の参加者がご自身の経験や思いを語ってくださり、自然な対話が生まれました。 また、新川からは選択理論の中でも「思考の選択」についてのお話がありました。

「今振り返ると、なぜあんなことをしてしまったのか」と自分を責めるのではなく、
「その当時は自分なりにベストを尽くしていたのだから、過去の自分を責める必要はない」というメッセージに、参加者の皆さんが深く納得されている様子でした。

今回のグループワークには、アメリカ在住の方も参加されました。 現地でもCHARMSと似た活動をしている団体に関わっているものの、使用言語が英語であるため、十分に安心して話すことが難しいと感じていたそうです。 今回、日本語で安心して話せる場としてCHARMSに出会えたことを「本当にありがたい」と話されていました。

【グループワーク・まとめ】

今回のグループワークでは、参加者の「今の声」に丁寧に耳を傾けることを通じて、安心して話せる場づくりの大切さを改めて感じる時間となりました。 それぞれが自分の経験や思いを語る中で、自然な対話が生まれ、互いの存在を尊重し合う空気が育まれていました。
新川さんの選択理論に基づくお話は、過去の自分を責めるのではなく、当時の自分の選択を受け入れるという視点を参加者に届け、深い共感を呼びました。
また、海外在住の参加者からは「日本語で安心して話せる場に出会えたことがありがたい」との声があり、CHARMSの活動が言語や地域を越えて支えとなっていることを実感しました。
今後も、参加者の声に寄り添いながら、安心・安全な対話の場を継続していくことの意義を大切にしていきたいと感じています。

(CHARMSスタッフK)

noteの最近記事紹介

SNS詐欺は組織犯罪1~3
https://note.com/terueshinkawa/n/n7334b2915a68
https://note.com/terueshinkawa/n/n6a6064feb811
https://note.com/terueshinkawa/n/n62298ef1bf0f

ゴールドディガー被害対策
https://note.com/terueshinkawa/n/na0c23a3e94bd

未成年者のみなさんへ親がロマンス詐欺に巻き込まれていると思ったら
https://note.com/terueshinkawa/n/n5dead4e99221

ドラッグミュールにされた国際ロマンス詐欺被害者のオーストラリア女性のその後
https://note.com/terueshinkawa/n/nd294bc71a819?sub_rt=share_pb

海外との連携★SCARS関連活動紹介

私たちCHARMSは、米国の被害者支援団体SCARSと提携し、その最新情報を日本語で解説しています。9月に未成年のかたから親御さんの被害についての相談があり、SCARS理事の武部が同団体に問い合わせたところ、関連する未発表記事があったため、それを急遽作成してくれました。noteで紹介した記事の原題は母親に言及していますが、もちろん父親にも当てはまります。詳しい内容は、元記事を機械翻訳でご覧いただくことをおすすめします。

「未成年のみなさんへ」の元記事:
「お母さんが恋愛詐欺に遭っています。どうする?~ティーンのための、お母さんを詐欺から救い出すためのガイドと、次にすべきこと!」(Your Mother is in a Romance Scam – Now What Do You Do? A Teen’s Guide to Helping Their Mother Escape from Her Scam and What To Do Next!)
https://romancescamsnow.com/dating-scams/your-mother-is-in-a-romance-scam-2025/

代表武部が研究者として学会論文を提出しました

CHARMS 活動報告|学会発表のご報告

2025年10月12日、法政大学・市谷キャンパスで開催された日本マーケティング学会のカンファレンスにて、以下の研究を共同発表しました。

発表タイトル

武部理花・中川功一(2025)「消費者行動から見るSNS型投資詐欺 ― 関係性マーケティングとエシカル消費の落とし穴 ―」

研究の狙い

SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の加害側は、現代のマーケティング実務で用いられる「関係づくり」「体験設計」「信頼の可視化」を、被害者の意思決定プロセスに沿って巧妙に転用しています。本研究は、その“悪用のメカニズム”を消費者行動の視点から整理し、予防と介入の手がかりを提示するものです。

発表の要点

本研究では、4件の被害者インタビュー結果を通して、被害者側を消費者意思決定に当てはめることで、初期接触、信頼関係構築、投資の動機付け、成功体験と継続、そして被害発覚までの5つの段階設計を確認することができました。SNS型詐欺は関係性マーケティングのダークサイドの使用であり、長期関係・互恵性といった価値が、詐欺的文脈で“安心感の演出”として機能。そして、今回のインタビューの4件からは、環境に良い投資・社会貢献などの語りが道徳的な正当化を生み、投資への意思決定へと誘導されたことがわかりました。

今後の展開

本研究で検証した被害者意思決定モデルをさらに検証し、被害者支援の立場から被害者サイドの意思決定プロセスを解明し、被害者行動インサイトに基づく介入策の検証につなげてゆきたいと思います。

謝辞

本研究は、共著者の経営学者、中川功一氏の指導・監督のもとで進めました。研究設計から理論整理、発表原稿のブラッシュアップに至るまで多大な助言をいただき、深く感謝申し上げます。また、ヒアリングにご協力くださった皆さま、学会関係者、CHARMSのボランティア・支援者の皆さまにも、厚く御礼申し上げます。
— CHARMS 副代表 武部 理花

カンファレンスページ / 資料

メディア注意喚起活動

11月5日テレビ朝日「林修×小泉孝太郎の水曜サバイバル」にて「急増する2025年最新詐欺から」代表の新川が専門家としてコメンテーター出演しました。

詐欺被害に関する勉強会の配信

NPO法人CHARMS ネット・リテラシー・カレッジ
https://college.coeteco.jp/s/charms-college
※有料ですが私たちの活動費になりますので是非、見てください。

Youtube NOTE 更新

様々なコンテンツで動画をUPしています。
https://www.youtube.com/channel/UCFdfY96j27EjC088TCWNApQ/featured

NOTEにも沢山のコンテンツが更新されています。

NPO法人CHARMS|note
「国際ロマンス詐欺」「海外からの特殊詐欺」の情報や注意喚起のための記事を書いています。売り上げはNPO法人CHARMSの活動費に寄付されます。NPO法人CHARMS