A scoping review of online romance scams: Conceptual construction and comparative analysis
Wang, Fangzhou
要約
本論文は、2024年1月から2025年10月までに発表された62件の経験的研究を統合したスコーピングレビューです。ロマンス詐欺を単一の現象とせず、感情的な信頼構築を悪用して送金を求める「前払い金型(AFRS)」と、暗号資産等の偽投資に誘い込む「投資型(InvRS:いわゆる『豚肉の解体』)」の2つに分類する類型論を提示しました。分析の結果、両者は心理的操作という点では共通するものの、犯行組織の規模、技術的洗練度、被害者の人口統計学的特性、および必要な予防策において大きく異なることが判明しました。英語と中国語の文献を網羅し、近年の詐欺の産業化と多様性を浮き彫りにした、米国テキサス大学noWang Fangzhou先生による包括的な研究です。
研究方法
本研究では、既存の学術的知見を網羅的にマッピングするためにスコーピングレビューの手法が採用されました。
• ガイドライン: PRISMA(優先的報告項目)ガイドラインに準拠。
• 対象文献: 2024年1月から2025年10月までの期間に発行された、英語および中国語の経験的研究。
• データソース: Academic Search Complete、PubMed、ScienceDirectなどの主要学術データベースに加え、中国語文献を網羅するためにCNKI(中国知網)を使用。
• 最終分析対象: 厳格な除外・採用基準を経て選定された62件の研究(質的研究45件、量的研究11件、混合法研究6件)。
何が分かったか?
本研究の主要な成果は、国際ロマンス詐欺を以下の2つの異なる性質を持つカテゴリーに明確に分類したことです。
前払い金型国際ロマンス詐欺(AFRS):
◦ 特徴: 伝統的な「キャットフィッシング(なりすまし)」に基づき、架空の危機(医療費やビジネスのトラブル)を捏造して送金を求めます。
◦ 加害者: 主に西アフリカなどの若者が「サイバー犯罪アカデミー」で手法を学び、個人または小規模なネットワークで活動します。
◦ 被害者: 欧米の高齢女性が標的になりやすく、孤独感や感情的な絆を悪用されます。
SNS型投資ロマンス詐欺(InvRS / 豚肉の解体)
◦ 特徴: 暗号資産や偽の投資プラットフォームを悪用し、最初は利益が出ているように見せかけて投資額をエスカレートさせます。
◦ 加害者: 東南アジアに拠点を置く中国系の犯罪シンジケートが組織的に運営しており、中には強制労働や人身売買によって詐欺に従事させられている加害者も存在します。
◦ 被害者: 資産形成や投資に関心がある多様な層が標的となり、被害額はAFRSに比べて非常に高額になる傾向があります。
結論と考察: 詐欺のプロセスは「感情的操作」から、技術と組織力を駆使した「産業化された犯罪」へと進化しています。AFRSは「人間中心の守護者(教育や啓発)」が有効な一方で、InvRSは「技術的・規制的監視(ブロックチェーン分析や国際法整備)」が不可欠であり、それぞれの類型に応じた対策が必要であると結論づけられています。
社会への貢献
本論文の社会への貢献と特筆すべき点は以下の通りです。
• 「国際ロマンス詐欺」の概念的再定義: これまで均一なものとして扱われがちだった国際ロマンス詐欺を、AFRSとInvRSに峻別し、それぞれのメカニズムを解明しました。これにより、政策立案者や法執行機関がより的を絞った介入策を講じることが可能になります。
• 最新かつ包括的なデータ: 2024年から2025年10月という、極めて最近の動向(生成AIやディープフェイクの悪用など)を反映しており、先行レビューの空白期間を埋めています。
• 言語的・地域的障壁の克服: 英語圏の研究だけでなく、東南アジアで深刻な社会問題となっている「豚肉の解体」詐欺に関する中国語の研究成果を統合した点は、これまでのレビューにはない独自の強みです。• 実践的な予防策の提案: 単なる現状分析に留まらず、銀行、プラットフォーム、法執行機関、および心理カウンセラーが、被害者の特性(AFRSの感情的依存 vs InvRSの経済的損失)に合わせてどのように支援すべきかという具体的示唆を与えています。
| タイトル | A scoping review of online romance scams: Conceptual construction and comparative analysis |
| 類別 | Journal Article |
| 筆者 | Wang, F. University of Texas at Arlington, USA |
| 雑誌名 | International Review of Victimology |
| 発行者 | SAGE Publications |
| 発行日 | Jan 23, 2026 |
| 巻数・ページ | 02697580251414141 |
| 言語 | 英語 |
| URL | https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/02697580251414141https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/02697580251414141https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/02697580251414141https://scholar.google.com/citations?view_op=view_citation&hl=en&citation_for_view=z7-mUJYAAAAJ:aqlV |
| Cite | Wang, F. (2026). A scoping review of online romance scams: Conceptual construction and comparative analysis. International Review of Victimology, 1–29. https://doi.org/10.1177/02697580251414141 |


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