国際ロマンス詐欺の特徴と詐欺見極め方

国際ロマンス詐欺の特徴

主な特徴

  • 実際に会っていない相手からの金銭要求された
  • 親しくなってからトラブルが発生し金銭要求された
  • 海外とのやり取りなのに、国内の個人の口座へ振り込み依頼される
  • 都度、異なる口座に振り込み依頼される
  • 費用を半分相手が負担するなど交渉の過程で減額がある
  • 投資で儲かり、出金しようとしたら税金がかかり請求される
  • ハーフなどと偽り、日本語の会話が不自然な部分がある


自分では判断できないなど不安な方は、無料ライン相談にご連絡ください。

従来型と投資型

国際ロマンス詐欺には、従来型と投資型があります。

従来型 国際ロマンス詐欺

何回かメッセージのやり取りをして親しくなってから、各トラブルを解決するために、現金を第三者の銀行口座宛てに送金するように要求してきます。稀にウエスタンユニオン等の国際送金サービスを利用して送金するように求めてくる場合もあります。
最初は比較的少額の送金で、一度でも応じると更に高額の送金を要求してきます。

<詐欺肩書>
  • シリアやカブールなどの紛争地域に駐留中の米軍高官、米軍人、米軍医師(男女とも)
  • エンジニアや国際貨物船乗務員(船長・船舶エンジニア)(男性が多いが稀に女性のエンジニアを名乗る場合もある)
  • 自営業や起業準備中(男女ともあり)
  • 外国で親族が残した遺産を相続する(男性、女性)
  • 妻と生き別れ、子供2人、高齢の母と暮らしている(男性…但し近年では女性を装う詐欺師が暴力夫と離婚したシングルマザーなどを名乗る場合もあり。)
  • 看護師、学生、店員、その他ステレオタイプ的な女性職業等(女性)

<トラブル設定>
  • こっそり持ち出そうとした多額の現金(結婚資金)が税関に見つかり拘束される。
  • 海外から日本に送った荷物に多額の現金を隠していたことを中継国である国の税関に見つかり、罰金を払わないと配送が継続できない。
  • 日本での開業資金として持参した現金が、テロ資金と疑われ、没収されてしまう。
  • 海外で一時滞在中、交通事故・急病となり意識不明。
  • 難病にかかった子供の治療費が足りず途方に暮れている。
  • 商談が成立すれば数億ドルの収入が得られるが、手付金が足りなくなる。
  • 海峡を航行中、海賊に襲われ、島に緊急寄港した。このままでは危険なので、荷物だけでも国際宅配便で送るので預かってほしい。

トラブル発生後の連絡は、殆ど第三者(架空の人物・会社)からで、恋人役は(虚偽の)トラブル設定を信じさせるために補足的に連絡してくる程度になります。

<送金要求理由>

トラブル発生後の連絡は、殆ど第三者(架空の人物・会社)からで、恋人役は(虚偽の)トラブル設定を信じさせるために補足的に連絡してくる程度になります。

  • 多額の現金を無届けで持ち出そうとしたので、罰金数万ドルが必要(税関職員)
  • 関税を支払わないと配送が継続できない(税関職員・国際宅配業者・通関業者)
  • テロ資金でないことを証明するために国連に申請する必要があり、証明手数料及び代理申請料として数万ドル必要(国際宅配業者・セキュリティ会社・弁護士)
  • 高額のためセキュリティ会社に委託する必要があり、手数料として総額の数%~数十%の計数万ドルが必要(国際宅配業者・セキュリティ会社・弁護士)
  • 手術費用を直ぐに送って貰わないと死んでしまう(搬送先の医師・看護師)
  • 明日までに支払わないと折角のビジネスチャンスが台無しになる(友人・恋人)

投資型 国際ロマンス詐欺

何回かメッセージのやり取りをして親しくなってから、ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などの暗号資産や、FXの投資などとして偽サイトや偽アプリを通して投資をさせていくのが特徴です。

<詐欺肩書>

職業等は特に決まった定番はありません。ビジネスパーソンや経営者、軍関係、医者など様々です。日本人、日系人、日本人と韓国か台湾人、シンガポールのミックスなどを名乗るケースもあります。性別は男性を装ったものも、女性を装ったものも報告されており、ストレートの他、性的マイノリティを狙う詐欺師もいます。
 
 片言の日本語や、Google翻訳を使った日本語でチャットをしてくることが多いと言われていますが、英語を使う場合もあります。

<騙しの筋書き>

詐欺師から「二人の将来のため」などとして、さらに投資をすることを勧められたり、半ば脅しのように投資をするようプレッシャーをかけられたりした上に、詐欺師の「誘導」なしで自主的に投資をしてゆくように促されてゆきます。この段階で偽の投資アプリで表示される儲けは大きくなり、こんなに儲かるのであればと更に大金を投じる結果になり、投資額がふくれあがります。

<詐欺のからくり>

あらかじめ作ってある偽の投資サイト(暗号資産やFX、株など)に誘導され、そこで少額の投資を勧められます。少額(人によって様々で日本円にして1万円程度から数十万円など)の投資をすると、その投資で儲けがでます。たとえば10万円を投じると11万円か13万円くらいに増えるのです。この段階ではお金を引き出すことができます。ここで儲けが出たので、ターゲットにされた被害者の方は投資に自信をつけてしまいます。

投資額が何百万、何千万円となり、その結果、儲けも何千万円となったときに、お金を引き出そうとするとできなくなります。投資サイトやアプリのカスタマーサービスに連絡すると、投資で儲かった金額が莫大であるため、それを引き出すために巨額の税金や手数料・口座保証金などが必要だと言われます。仮にこの手数料などが支払えたとしても、投資した金額を引き出すことができません。

プロフィールなどからの見極め

写真

本物の人の情報や、その写真が詐欺に使われたという報告の情報、そして複数の出会い系サイトに登録されているという情報がヒットするでしょう。
しかし画像検索してもヒットしない場合であっても、詐欺ではないという保証はありません。例えば被害者からもらった写真を使いまわしていたりして、その写真がSNS(ソーシャルネットワークなど)に掲載されていない場合、写真検索しても見つかりません。

フォローや友達

友達欄に友達を表示していないケースが多いです。かつては友達数が少なく、友達の構成がどちらか異性に偏っていると言われていました。例えば男性狙いの詐欺師であれば、美女写真のプロフィールに男性の友達が数十人といった具合です。

しかし、近年では売買されたアカウントや盗んだアカウントを使うケースも多く、友達数がある程度あり、男女比も比較的自然で、投稿やコメントもそこそこにあるソーシャルネットワークの詐欺師プロフィールが少なくありません。

したがって、「友達数が少なく男女比が偏っている」ことは詐欺プロフィールの特徴になりますが、そうでないものが詐欺アカウントではないという判断はできません。

会話で判断する方法

1.趣味についての詳細な質問をする
プロフィールに関して何かあなたの好きな或いは興味をもった文の一部について正確で具体的な質問をしてみてください。
「好きなテレビや映画のキャラクターは何ですか?」
などのようなもので構いませんので幾つか項目を考えておいてください。
例えば、もし特定の車やボートを挙げてきたら、それがいくらくらいの価格かとかどのくらいポイントが付いたか、どんなブランド名なのか具体的な項目を相手に確認してみてください。詐欺師は答えに詰まる可能性があります。

2.具体的な住所を聞いてみる
Googleのアドレスで特定のレストランについて具体的なことを相手に聞いてみてください。
例えば「マクドナルドは〇〇通りにあって、△△ビルの隣にありますか?」などです。
Google マップなら、検索結果が正確に反映されるように概ね通りの名前や写真が表示されるはずです。詐欺師は正確に答えられません。とはいえ詐欺師側もGoogleマップを使う可能性もあり、正確に答えることができたら詐欺師ではないという保証はありません。

3.会話を検索してみる
ポエムのような愛のメッセージや、お金を要求してきたときのメッセージなどを一部コピーして、Googleで検索をかけてみましょう。そうすると、ポエムの場合ラブレターやポエムのサイトが検索で出てくることがありますし、また詐欺師からのメッセージを集めたサイトに掲載されている場合もあります。また「同情を誘う身の上話」「お金の要求の前兆として現在いる場所の状況などの説明」「お金を要求してくる相手役の上官や配送会社、税関などの偉い人からのメールの内容」を一部コピーしてGoogleで検索すると、詐欺情報をシェアしているサイトにヒットすることが少なくありません。

それらの検索でヒットしたら、あなたが受け取ったメッセージは詐欺師からの者であると言えます。但し、メッセージが検索ヒットしなかった場合「詐欺ではない」という保証はありません。例えば英語や日本語を上手に書ける詐欺師が定型フォーマット通りではない書き方を巧みにしている場合もあります。

関連ウエブサイトがある場合

投資型国際ロマンス詐欺師が使う投資アプリやサイト、従来型国際ロマンス詐欺師が使う「配送会社」や「軍の休暇申請サイト」、「医療機関のサイト」などはとても巧妙に作られています。詐欺師からもらったURLにそのままアクセスすると、マルウェアが仕組まれていたり、フィッシングサイトになっている場合もありますので、詐欺だと疑いを持っている場合直接アクセスするのは避けるべきです。

確認方法

Scam Adviser というサイトを使うと、詐欺師からもらったURLのサイトの危険度を判別してくれます。英語の苦手な方はAguseという日本語のサイトもあります。

但し、これらのサイトで「安全です」と出た場合、詐欺師からもらったURLのサイトの犯罪性が否定されたわけではありません。例えばシンプルなHTMLだけで作った店舗や配送会社を紹介するサイトであれば何も危険な要素を含んでいない可能性もあります。 

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